「本を愛する人」からノンフィクションライターが嫌われる理由

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えーと、全部検証してるほど暇じゃないから、この記事の最後の7ページ目で出されている

「平成26年度の『周南私立図書館年報』を見れば、館外貸出登録者数の個人内訳で幼児は0%、小学生は4%にすぎず、23歳以上が81%を占めている。」

について。

周南市の人口構成で、小学生に当たる12歳までできっちり切れる資料がすぐには見つからなかったが、とりあえず2015年10月現在の地区別年齢構成別資料(

http://www.city.shunan.lg.jp/data/open/cnt/3/3248/1/juki10.pdf

 )の最後の合計のところを見ると。7〜9歳が3721人、10〜14歳が6578人で、足すと10299人。周南市の人口全体で147601人なので、人口全体に占める7〜14歳の構成比率はざっと6.9%。実際には中学生の13歳14歳が入っているから、小学生の構成比率だともう少し下がるはずで、それを考えると、幼児が0%であることによって若干個人内訳の比率としては上がるにしても、人口構成と館外貸出登録者数のそれぞれの比率に、そんなに大きな乖離はないと思うんだけどな。たぶん、市内の小学生の半数以上、結構な数字の小学生は登録していると思うよ*1
それに、これ「館外貸出登録者」だからね。未就学児対象の書籍を、それも図書館の本という丁寧に扱わないといけない書籍を自宅に借りていくケースって、結構少ないんじゃなかろうか。だからといって、図書館内で親や館員が読ませるというのは別におかしくないでしょ。周南市TSUTAYA図書館反対派の主張に異議を言おうとしたんだけど、ちょっと持ってくる数字の検証が足りていないよ。
というか、当たり前なんだけど、「館外貸出」だけが図書館の機能じゃない。書籍を読む環境を提供するのも、情報を求める人に適切なリファレンスとなることも、図書館の重要な機能だ。

仮にも小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞しているお方にこんなこと言うのもなんだけど、武雄前市長ことひわたんが「図書館に読みたい本がない」と言ったことをウラ取りもなく真っ正直に受け止めてそこから選書問題に持っていくのはあんまり筋のいい展開の仕方じゃないよ。まず、この発言が言うように、本当に武雄図書館には読みたくなる本がなかったのか、そこを検証してからでないと(そして #たけお問題 のクラスタの人たちはそれをとっくにやっている)、論立ての最初から間違えてしまう。それはノンフィクションを書く上での基本中の基本のはずだけどなぁ(,,゚Д゚)
って、それこそこういう人たちが「 #TSUTAYA図書館 問題」についてちゃんと調べて記事にまとめることをしなきゃ。そうしないと、「マスコミよりネットにいる一般人の方がよっぽどまとも」という評価がいよいよ固まっちゃうし、おいら的にはあんまりそれはうれしくないんだけどなぁ(,,゚Д゚)

*1:20151112112700追記。よく考えたら、「館外貸出登録者数」の数字を見ていないから、こんなこと言えるかどうかはわかんないんだけど、まぁ「思っちゃったんだからしょうがない」(C)爆笑問題(でいいのかな?)ので、とりあえず残しておく